経費削減に取り組むメリット
まず最初に、経費削減のメリットについて見ていきましょう。
利益が増える
無駄な経費を削減できれば、それはそのまま利益になります。
どのサロンでも、集客や売上の向上には力を入れて取り組んでいるでしょう。
その一方で経費については、意識されないまま無駄遣いが続いているということも。
経費削減は、利益率を上げるための有効な手段なのです。
経費削減は自分でコントロールが可能
どれだけ良いサービスを提供していても、集客や売上アップはお客様次第。
どれだけ良いサービスを提供していても、集客や売上アップはお客様次第。
景気や感染症など、世の中の動きに左右されてしまうこともあります。
一方、経費削減のメリットは、自分自身でコントロールが可能だということです。
経費削減は、自分次第で利益を増やし、経営を安定させることができるのです。
削減した経費でさらなる売上アップを狙える
経費削減で利益が増えたら、それを元にさらなる売上アップを狙えます。
人件費をアップすれば、スタッフのモチベーションを上げることができます。
設備投資をして、より魅力的なサロンにすることも可能です。
それらが売上アップにつながり、好循環につながります。
各経費の適正割合と削減のポイント
売上月200万円のサロンをモデルに、各経費の適正割合と削減のポイントを見ていきましょう。
あなたのサロンの経費と比べて、多い項目があったら、そこが削減するべき部分です。
この中でも特に削減効果の大きい項目とその方法については、後で詳しく解説します。
まずは全体を見ていきましょう。
人件費
・人件費:売上に対する比率50〜55%(100〜110万円)
経費の中で最も大きいのは人件費でしょう。
リラクゼーションサロンでは、施術者の技術力や接客が、売上を大きく左右します。
経費削減で大事なことは、お客様の満足度を下げてはいけないということです。
無理にスタッフを減らしたり、給料を下げるということは避けましょう。
ポイントは、予約受付や事務作業など、お客様の満足度に関わらない部分での改善です。
それにより、売上に対して5%人件費を削減することができれば、月10万円になります。
家賃
・家賃:売上に対する比率 10%前後(20万前後)
毎月固定でかかる家賃は、経営において非常に重要です。
サロンのコンセプトやターゲットによっては、高めになることもあるかもしれません。
しかし、売上に対して10%前後の物件であれば、より健全な経営につながります。
エリア選びや物件選びは慎重に行いましょう。
契約更新のタイミングなどでダメ元で家賃交渉してみても良いかもしれません。
水道光熱費
・水道光熱費:売上に対する比率 3〜5%(6〜10万)
一番大きいのが冷暖房など空調の費用でしょう。
これも人件費と同じく、無理に削減してはお客様の満足度に関わります。
後述する電力会社の切り替えなど、お客様の満足度に関わらない部分で削減しましょう。
それにより売上に対して2%削減することができれば、月4万円になります。
消耗品費
・消耗品費:売上に対する比率 5〜7%(10〜14万)
サロンで使用するオイルやタオル、施術着、クリーニング代など全般です。
施術に使うオイルやタオルなどには、こだわりがある場合もあるでしょう。
むやみに品質を下げては、お客様が離れて行ってしまうことにもなりかねません。
しかし、サロン用品は日々新しいものが販売されています。
違う店で購入すると安いということもよくあります。
漫然と同じように仕入れるのではなく、常に新商品やお店の情報を収集しましょう。
また、小さなサロンであれば、タオルや施術着はお店で洗濯するのが一番安く済みます。
そうすることで、売上に対して2%削減できると月4万円になります。
広告宣伝費
・広告宣伝費:売上に対する比率 5〜10%(10〜20万)
ホットペッパービューティーなどのポータルサイトやタウン誌への掲載費用、チラシの印刷費などです。
広告宣伝費は、やり方によっては大きく差が出る経費の一つです。
まずは、現在利用している媒体ごとに効果の検証をします。
媒体ごとの費用対効果が明らかになったら、効果の低いものは削減しましょう。
その結果、売上に対して5%削減できれば、月10万円になります。
各項目の経費削減で利益が年間約300万円アップ!
・人件費5%↓(10万円)
・水道光熱費2%↓(4万円)
・消耗品費2%↓(4万円)
・広告宣伝費5%↓(10万円)
どの項目をどの程度削減するかはサロンの実情によって変わってきます。
しかし、ざっとこれだけで、月28万円の経費削減に。
年間にすると336万円の利益増になります。
かなり経営に安定感が出て、賃金アップや設備投資も可能なのではないでしょうか。
効果大!今すぐやめるべき無駄遣い3選
ここからは、経費削減効果が特に大きい、3つの無駄遣いについて解説していきます。
長年見直していない水道光熱費
現在は電気やガスなど非常に多くの会社が存在します。
もし、過去に一度も料金の見直しをしていなければ、会社を切り替えることで削減できる可能性が高いです。
複数社見積もりを取り、比較してみましょう。
一度切り替えてしまえば、あとは何もしなくても経費削減効果がずっと続きます。
ペーパーレス化&IT化をしていない
ショップカードやカウンセリングシートなど、サロンで使われる様々な印刷物。
最近では、これらは必ずしも必要ではなくなってきています。
LINE公式アカウントには、無料で使えるショップカード機能もあります。
タブレットによるメニュー表やカウンセリングシートなども増えてきました。
初期費用として、タブレット代などはかかりますが、その後は費用がかかりません。
また、予約受付をすべてweb上で行えば、その対応にかかる人件費を削減できます。
データで管理もしやすく、印刷や転記など、無駄な事務作業もカット可能です。
ポータルサイトやチラシに頼った広告宣伝
webサイトやSNSを使った集客にシフトしていきましょう。
効果が出るまでにある程度時間はかかりますが、場合によっては広告宣伝費を0にすることも可能です。
多くの人がサロン選びに、「地域名+施術名」で検索をしていると言われています。
それにヒットするように、ボディケアの情報や日々のサロンでの出来事などを発信していきましょう。
参考記事:【無料ツールあり】サロン集客に効果的な広告手法11選
まとめ
サロンの利益率を上げるために、簡単、確実で効果が高いのが経費削減です。
一度行ってしまえば、効果がずっと続き、サロン経営の安定に大きく役立ってくれます。
ぜひ、取り組んでみてはいかがでしょうか。