CRMとは
CRMとは、Customer Relationship Managementの略です。
(直訳すると「顧客関係の管理」)
具体的には・・・
①顧客の行動を記録・分析
②自店を再訪してもらうために必要な施策を打つ
③施策が効果的だったかを検証する
という一連の作業を指します。
まずはそんなCRMが、サロン経営においてどういった意味を持つのかを解説します。
リピーターを繋ぎとめるための取り組み
CRMでは顧客個人を対象としたピンポイントなアプローチが行われます。
簡単な例を挙げると以下の通りです。
- 仕事帰りに予約・来院した顧客に対し、次回使える夕方以降限定のクーポンを配布
- 施術のリスク面を心配していた顧客に対し、翌日以降、健康状態を伺うメッセージをこまめに送信
要するに「顧客一人ひとりにきめ細かな対応を行う」のがCRMの概念です。
専門用語だからといって、そこまで難しく考える必要はありません。
目標を数値化することが重要
突然、顧客関係の管理といわれても、「何を基準に人との関係を測ればいいんだ」と思ってしまいますよね。
「喜んでくれているか」
「仲良くなれたか」
といった曖昧な指標だけでは、自店のサービスに対する各顧客の熱意を正確にうかがい知ることはできません。
そこで重要になるのが、CRMの肝である「目標の数値化」です。
客単価や予約頻度、DMの開封率といった「数値」の目標を明確にしましょう。
そうすることで、顧客の現状に合わせたアプローチを講じられるようになります。
サロン経営者がCRMを習得するべき理由
新規顧客の獲得には限界があるため
店舗型ビジネスの集客には、「商圏」という壁があります。
そのため、よほど人口が増加している地域に出店でもしない限り、新規顧客の獲得には限界があります。
住宅地エリアで運営する自宅併設型サロンなどは、なおのこと顧客層が限られます。
サロンの経営を安定させるには、顧客一人ひとりにできるだけ長い期間、自店を利用し続けてもらう必要があります。
だからこそ、一度でも来店してくれた既存顧客のフォローに力を入れるべきなのです。
施術内容だけでは他店と差別化しづらいため
リラクゼーション業は差別化がしにくい業態です。
もちろん料金プランやキャンペーン内容はお店ごとに異なります。
ですが、施術方法の違いにそこまでこだわるお客様は決して多くありません。
結局は「受けて気持ち良かったか」と「料金が安い(と感じられる)か」で決める方がほとんどでしょう。
「気持ち良かったか」の部分に関しては、一定のレベルを超えたところでほとんど差は感じられなくなります。
となると、それ以外のサービス部分での差別化が必要です。
その点、CRMは他店との差別化を生み出す1つの取り組みになります。
関連記事:顧客があなたのお店だけに通うになる圧倒的差別化テクニック5選
顧客が求めるものを常に把握できるため
サロン経営者の多くは、施術およびその前後のサービスに関して、大なり小なり何らかの「こだわり」を持っているはず。
しかし自店を訪れる顧客の全てが、必ずしもそのこだわりに期待していたとは限りません。
こうした「ズレ」にいち早く気づくことは、サロン経営でとても重要です。
その上で、CRMを通じた顧客分析は非常に効果的です。
顧客が自店の何に期待していたのか――。
それを分析してマーケティングに反映させることで、リピーターの離脱率は大幅に抑えられます。
CRMの具体的な取り組み
ここからは、サロン経営におけるCRMの作業工程をより具体的に紹介します。
顧客からのヒアリングおよび購買情報の記録
まずは悩みや要望といった「来店動機」につながる情報を各顧客から聞き出しましょう。
施術前のカウンセリング、および施術後のアンケートでのヒアリングが効果的です。
また、すでに何度か自店を利用している顧客について、予約日時や一日の利用額といった購買情報を記録しておくことも重要です。
客層を分類し、それぞれの購買傾向を分析
各顧客のデータが十分に集まったら、続いては来店頻度や利用額などで客層を分類します。
そして、それぞれの層に共通する購買傾向をピックアップしていきましょう。
簡単な例を挙げると以下の通りです。
- 先月の来店数が〇回以上だった客層は、予約が平日夕方以降に集中している
- 土休日に来店することが多い客層は、平日寄りの顧客よりも物販の購入率が高い
客層に合わせたリピーター獲得戦略を実践
その後は購買傾向の分析結果に応じて、各客層のニーズをピンポイントで満たすような施策を展開していきます。
イマイチ戦略が浮かばないという方は、まず「いつも来院している時間帯」に「いつも利用しているサービス」がお得、というイメージを各顧客に与えられるよう努めてみてください。
CRMを効率的に行うためのコツ
最後に、CRMでリピーターをより効率的に増やすためのコツを解説します。
LINE公式アカウントなどで顧客との距離を近づける
顧客の全員が全員、ヒアリングの場で悩みや要望を正確に伝えられるわけではありません。
ニーズの取りこぼしを防ぐには、LINE公式アカウントを開設するなどして、顧客がより気軽に相談できる環境を整えておくことが大切です。
POSシステムなどで情報収集を効率化する
POSシステムは、商品の売上や顧客の属性といった購買情報を一括管理できるシステムです。
特定の顧客の抽出や顧客の利用傾向などが分析できるため、キャンペーンや新メニューを考案する際のヒントを得ることができます。
もちろんサービスによってかかる費用や機能が異なります。
導入をご検討の際は複数社に問い合わせましょう。
まとめ
以上、サロン経営に必要な顧客マネジメント「CRM」について、基本的な知識や実際に経営へ活かす方法を紹介しました。
サロン経営の長期安定化を目指したい方は、ぜひCRMを通じたリピーター獲得戦略にチャレンジしてみてください。