サロンオーナーは副業でもできる! 専門的な資格も不要
まず前提として、サロンオーナーの仕事は副業でも十分可能です。開業に必要なのは極論お金だけであり、資格の取得義務なども特に定められていません。安価なテナントが見つかれば、開業までにそう時間はかからないでしょう。自宅開業の場合もまた然りです。
そして経営業務に専念するだけなら、現場経験も特段必要ありません。ただし、施術の指導を行えるレベルの経験者を、スタッフ陣に最低一人は加えましょう。また「副業」である以上、本業との時間的な兼ね合いにも気を遣う必要があります。
サロンオーナーを副業で始めるための準備
副業のサロン経営に必要なのは、ズバリ「お金」「戦略」「人材」です。本項ではこの3点について、具体的に何がどれほど要求されるのかを紹介します。
最低限、開業費用を一括で賄えるだけの資金は必要
まずは、店舗用のテナントを探すことから。テナントの賃料は、駅前など人通りの多い立地ほど高くなります。また居住用物件と同じく、借りる際には保証金や敷金も必要です。これらの費用は立地にもよりますが、およそ賃料の3〜10ヶ月分かかります。
それから内装工事や設備投資、物販品の仕入れも考えなければいけません。これら全ての金額を試算し、必要な開業費用を予め見繕っておくことが重要です。そのうえで、必要な資金を頑張って集めましょう。もちろん、政策金融公庫などの公的融資を活用するのも一手です。
なお自宅をそのまま店舗として使える場合、賃料や内装費は一切かかりません。
参考記事:【完全丸わかり】リラクゼーションサロン開業までの6ステップ
事業計画とマーケティング戦略を確立する
お金さえあれば大丈夫、というのはあくまでもスタートラインに立つまでのお話。その後の成功を見据えるなら、事業計画は事前に十分練っておかなければいけません。また、公的融資を利用する場合は、申請時に事業計画書を提出する必要があります。
なお、事業計画として考えるべき項目は、大まかに以下の通りです。
- 開業動機やセールスポイント
- ターゲットおよび販売戦略
- 競合との差別化点
- 営業利益や運転資金などの見込み
ネットで検索すれば、事業計画書のテンプレートが大量に出てきます。まずはその中から試しに1つDLし、必要項目を埋めることから始めてみてください。
参考記事:【融資がおりる】「事業計画書」の書き方を徹底解説!
セラピスト等、必要な人材を雇用する
経営方針が固まったら、次に人材の必要性を検討します。個人経営が成り立つのは、オーナー自身が施術を担える場合のみ。経験のない人が副業でサロンを始める場合、最低一人は即戦力のセラピストが必要です。
おすすめは、施術スキルと経営知識を兼備した店長クラスの人材を雇うこと。これならスタッフを増強した際も、新人の指導に困りません。また本業が忙しい状況において、経営そのものを任せることもできます。
サロンオーナーの気になる仕事内容
自ら施術を担当しない場合、サロンオーナーの仕事は経理や宣伝広報がメインです。これらの仕事内容について、以下で詳しく触れていきます。
支出管理や税務処理といったお金の作業がメイン
まずは売上や経費の集計、それらを元にした営業利益の算出を日単位で行います。そして年間の営業利益が20万円を超える場合は、年度末に確定申告が必要です。レシートや発注書など、金額を証明する書類は厳重に保管しなければいけません。
源泉徴収に慣れきっている会社員の人は、確定申告だけでも面食らうことでしょう。その計算内容が個人の雑所得などでなく、店舗単位の収益となれば尚更です。経理に不安のある方は、税理士への依頼や会計システムの導入を検討してみてください。
物品の発注や広告の依頼といった対外業務
オーナーを務める以上は、そのサロンの顔役として各種取引を担う必要があります。消耗品や物販品の発注、マーケティング広告の依頼などがその一例です。そこから更に、物品なら在庫管理、広告なら集客効果の分析といった仕事も生じます。
もちろん、業者を相手にすることだけが対外業務ではありません。受付やカウンセリングなど、顧客と接するのも立派な対外業務です。顧客が店にいないときも、LINEで連絡を取るなどして顧客との関係維持に努めましょう。
清掃などの雑務
他の仕事内容としては、清掃や備品補充といった雑務が挙げられます。これらの作業を、セラピスト等に任せるのはあまり推奨しません。施術スタッフには施術に集中してもらった方が、間違いなく店の評判向上に繋がります。
もちろん、受付や雑務を専門とするスタッフを雇うのも一手です。ただし、売上と人件費のバランスには十分注意してください。
会社員が副業オーナーを始める場合の注意点
最後に、会社員がサロンオーナーを始める前に覚えておくべきことを2点紹介します。
社則で副業が禁止されていないかを要確認
会社によっては、就業規則の中で副業禁止を明記しているケースもあります。そして就業規則に違反すれば、高い確率で何らかの懲戒処分を被ることでしょう。軽微な違反であれば、口頭注意程度で収まるのが一般的です。しかし、「副業で店舗経営」は決して軽微とはいえません。
副業のせいで、本業の収入が途絶えては本末転倒です。そうならないためにも、サロン開店を実行に移す前に、社則は必ず確認してください。
確定申告の際は会社の源泉徴収票を忘れずに
確定申告の際は、サロンの営業利益に加え、本業の収入も申告する必要があります。ここで忘れてはいけないのが、会社の給与から毎月引かれる「源泉徴収」の存在。本業側の所得税を余分に課されないためにも、源泉徴収票は必ず提出してください。
1人で開業する自信がない場合はフランチャイズ契約も一手
フランチャイズとは、本部企業と商品やイメージを共有する制度です。主なメリットは、有名ブランドの名を冠することで、宣伝広報の手間が大幅に省けること。また既に成功している企業から、経営面の様々なノウハウを得られます。
ただしフランチャイズ契約には、加盟金をはじめとした様々な出費が伴います。金銭的には、逆に開業のハードルが上がるともいえるでしょう。あくまでも、予算に無理のない範囲で検討してみてください。
まとめ
以上、サロンオーナーを副業で始める流れ、および開業後の仕事内容を紹介しました。
サロン経営に興味を持つ会社員の方は、まず開業動機やターゲット層を明確にすることから始めてみてください。