ぎっくり腰のお客さんが来たらどうする?

ぎっくり腰

目次

そもそもぎっくり腰とは

ぎっくり腰=「腰のねんざ」

ぎっくり腰とは、様々な原因で起こる「急性腰痛」の俗称です。

症状が起きる要因は様々あります。

中でも、腰のじん帯や筋肉の断裂、椎骨の関節や椎間板が傷つくなどして、神経が刺激されるのが主な原因。

症状的には足のねんざと似ています。

そのため、ぎっくり腰は「腰のねんざ」と呼ばれることもあります。

ぎっくり腰になってしまうケースで最も多いのは‥

  • 重い物を持ち上げる
  • 長時間屈む
  • 急に椅子から立ち上がる

こういった腰への負荷が高い動作をした時には注意が必要です。

しかし、肥満やストレスなどの日々の生活習慣が原因で、何もしていない状態から突然ぎっくり腰になるケースもあります。

安静にしているだけだと、かえって治りが遅くなる

ぎっくり腰を発症すると、その場から動けなくなるほどの激痛に見舞われます。(個人差あり)

そして、発症から2~3日程度は、ひどい痛みに悩まされることでしょう。

もちろん、この期間は患部を冷やしつつ、安静にしている方が無難です。

通常、ぎっくり腰は1~2週間程度の時間経過で自然に治ることがほとんどです。

ただし、その期間ずっと寝たきりでばかりいるのは、かえって治りが遅くなることがあります。

なぜなら、患部をずっと動かさずにいると、周辺の筋肉が衰えてしまうからです。

痛みがある程度引いてきたら、できる範囲で普段通りの日常生活を送りましょう。

ぎっくり腰に揉みほぐしは有効なのか

「腰が痛いのでマッサージしてほしい」

というご要望でご来店されるお客様は少なくありません。

※指圧・あん摩マッサージを行えるのは「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を保有する施術者のみです。

参考リンク:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(e-Gov法令検索)

実際に、固くなった筋肉のコリをほぐすことで、痛みを和らげる効果が期待できるケースもあります。

ただし、ぎっくり腰になったばかりのお客様に施術をするのは注意が必要です。

効果がないだけならまだしものこと。

場合によっては炎症が悪化したり、大切な神経や組織を傷つけてしまう恐れがあります。

また、良い効果が期待できる場合でも、ぎっくり腰の急性期(痛みが出てから1~2週間程度)中の施術や、いきなり強く揉んだりするのは避けた方が安全です。

ぎっくり腰のお客様が来店した時の対応方法

基本的にはお断りするのが無難です。

ぎっくり腰のお客様の施術をすることには、2つのリスクがあります。

  1. お客様の症状を悪化させる可能性
  2. 「治療費や生活の補償をしてほしい」などの要求をされたり、訴えられる等の可能性

1.に関しては前述の通りですが、2.に関しましては‥

・要求に応じた場合

 当然金銭的な損失が発生します。

・要求に応じない場合

 訴訟などをされると、法的対応にかかる金銭的・時間的損失が発生します。

さらには、インターネット上で悪い口コミなどを書かれてしまい、お店の社会的信用を損失する危険性もあります。

参考記事:クレーム客もファンに!コピペで使える口コミ返信テクニック5選

したがって、ぎっくり腰のお客様に対しては、丁重にお断りをした上でお帰りいただくのが無難といえるでしょう。

リスクを承知で施術をする場合

それらのリスクを承知の上で、施術をするという場合には、次の2つのアクションを必ず実行しましょう。

  1. 医師から「施術しても問題ない」という診断を受けているかを確認する
  2. 免責同意書を書いてもらう

医師から「施術しても問題ない」という診断を受けているかを確認する

こちらは、口頭でのみ確認しているというお店はあるかもしれません。

しかしながら、口頭確認のみで済ませてしまうと、のちのち「言った言わない」の水かけ論争になってしまう可能性があります。

万全を期する意味で、可能な限り医師の診断書を見せてもらうようにしましょう。

免責同意書を書いてもらう

免責同意書を作成する際には、

「治療行為はできないこと」

「施術後に体調などが悪化した際に、あきらかに施術が原因であると認められた場合を除き、一切の補償や返金の要求などには応じないこと」

といった内容を盛り込み、お客様の署名をもらうようにしてください。

なお、たとえ免責同意書を書いてもらっていたとしても、クレームや要求の申し立てがゼロになるわけではありません。また、仮に訴訟になったとして、100%勝てる担保になるわけでもありません。

それでもまったく何もないよりは、事前に確認をしていることが分かる書類があるだけで、状況ははるかに良くなります。

お客様一人一人に書いていただくのは労力がかかります。

それでも、必ず書いてもらうようにすることを推奨いたします。

まとめ

以上、ぎっくり腰のお客様が来店した際の対処法を紹介しました。

ぎっくり腰のように、「この人に施術をして大丈夫なの?」と思われるお客様が来店された際は、くれぐれも無理に施術をしないよう注意してください。